コーエーテクモゲームス(以下コエテク)から2023年3月3日(金)に「Wo Long: Fallen Dynasty 」(以下ウォーロン)が発売!
これは仁王を制作した「Team NINJA」による開発であり、和風ファンタジー死にゲーであった仁王(日本・戦国時代)から舞台を中国に移して、後漢末期の「三国志」を描いたダーク三国志死にゲーとして誕生。
仁王のシステムを一部踏襲して生まれ変わったこの作品、体験版は2マップ分の長さでしたがやり応えはバツグンで、どんなゲームに仕上がったのか確認できたので、それをレビューしようと思います。
※製品版3章クリア時点での感想を追記しました(3/4)
作品情報(PS5版)
製品名 | Wo Long: Fallen Dynasty |
ジャンル | ダーク三國アクションRPG |
発売元 | コーエーテクモゲームス |
開発元 | Team NINJA |
発売日 | 2023年3月3日 |
公式よりストーリーあらまし
乱世の闇に、龍が目覚める。
三国乱世を戦い抜くひとりの義勇兵の物語。
舞台は後漢末期の「三国志」、名もなき義勇兵が、中国武術を駆使した流麗な剣戟アクションで、妖魔はびこる乱世に立ち向かう。
良かった点・気になった点
- 主人公の作成において細かく作り込める
- 難しくも何度も挑戦したくなる、歯ごたえある難易度
- もっさり感はなくサクサク動かせる操作性
キャラ作成

コエテクお得意の非常に細かくおこなえる調整によって、美男・美女から歴戦の猛者まで、自由に作り込めるキャラ作成は健在。
3人称視点でのプレイの為、感情移入できる主人公を自分好みに作り込めるのはやる気も出るし楽しい。
死にゲーならではの絶妙な難易度
仁王やダークソウルなどの死にゲーを過去にプレイしたことがあるプレイヤーの方はご存じの通り、中々簡単にはクリアできないですが何度もトライしたくなる絶妙な難易度は、時間を忘れてついつい夢中になるほどのめり込みます。
それが故に、苦労の末にボスを倒した時の達成感は格別。
各休憩ポイントを挟めば敵キャラは復活するシステムなので、繰り返し倒して経験値を得られればレベルを上げて強敵に挑めるので、腕に自信がない方にも優しいシステムだと思います。
サクサク動く操作性とジャンプ
賛否両論はありますが、ダークソウルとは違って仁王では主人公をサクサク動かせて快適にプレイできるのがウリ。
同じ開発元のウォーロンも、仁王同様に軽快な動きでストレスがなくプレイできるのはいい所だと思います。
そして仁王と違う点で「ジャンプ」ができるようになったため、フィールドの高さの概念を大きく使える事になって、より探索や新たな抜け道を発見する楽しさが増えました。
攻撃に関しても、コンボがサクサク軽快に繋がり大技が武器ではなく蹴りなど中国拳法を取り入れたモーションで、決まれば爽快ですごく気持ちが良くて楽しいです。
- 回避が少しやりにくく、ジャスト回避ありき
- メニュー画面が少し見にくい・分かりにくい
- グラフィックはPS5と言えど・・
回避が少々やりづらい
ローリングで回避はできない訳ではないですが、〇ボタン2回押しする必要があるので、けっこうやりにくさもある。
仁王と違ってジャンプもできますがあまり避けるには適してる感じがしないので、ウォーロンの回避システムである「化勁(かけい)」というジャスト回避(要はパリィ)をして相手の隙を作ることが重要かつ安定した戦いをするのに必須。
メニューが少々分かりづらい
これは個人差があると思いますが、仁王やダークソウルと比べて主人公のパラメータ画面や、武器・防具のスキルなどが少し見にくくて分かりにくくなったような気が・・
例えば防具の耐性の属性の表示も(画像真ん中あたり)、アイコンでなく文字(火・木など)の方が分かりやすいような。
三国志の雰囲気を出すための明朝体の文字がそうさせているような気もしますね。
グラフィックは次世代機?
映像美より快適さを重視した「FPS重視」モードでプレイしたせいか、グラフィックはやや粗いというかPS5のレベルではないように感じました。
(ホグワーツレガシーをプレイした後なので、余計にそう感じる)
死にゲーということで、全体的に薄暗くどんよりとした雰囲気なのでそう思わせる所もあるかもしれないですが。
システム面など
攻撃・射撃
基本となる攻撃に関しては、いわゆる弱攻撃と呼ばれる「基本攻撃 □ボタン」と、強攻撃と呼ばれる「氣勢攻撃 △ボタン」の2種類が存在。
基本攻撃は、威力は弱いが速く手数が多く出せる攻撃。
氣勢攻撃は、大振りだがダメージが大きくさらに相手の氣勢を削れる攻撃。
「□ → □ → △」のように、基本攻撃から氣勢攻撃に繋げるコンボが攻撃の基本パターンとなります。
そして弓と矢が手に入れば、「射撃」ができるようになります。
敵の射撃手は高台にいることが多く近接攻撃では届かない所にいがちなので、射撃を用いてあらかじめ倒しておけば攻略が楽になります。
スタミナのようなもので、こちら側は氣勢が無くなればスタミナ切れで一定時間動けなくなる状態に。
逆に相手の氣勢を削りきれば、大ダメージが与えられる固有モーションの攻撃を叩き込めるチャンスとなる。
化勁・敵の秘儀
ウォーロンの回避行動のメインとなるのが「化勁」と呼ばれるもの。
敵の攻撃が当たる直前に「〇ボタン」を押す事によって攻撃を受け流し、相手の氣勢を削ると共に自分の氣勢を上昇させる効果がある。
そしてローリング回避は「〇ボタン×2回」で回避できますが、先に書いた通り実際使ってみるとあまり効果的な使い方ができないように感じます。
モンハンなどローリング回避ができるゲームは「フレーム回避」と呼ばれるローリング中の無敵時間を活用した回避ができますが、ウォーロンの場合は〇ボタン2回押しになっているせいか回避するタイミングが掴みづらく被弾しやすいので難しいし、距離も取りづらいように思いました。
慣れの問題かもしれませんが、個人的には化勁とローリング回避は別ボタンの方が良かったかも・・
そして「敵の秘儀」は、こちらのガードを無視する相手の強攻撃で、対策は化勁で受け流すか回避するかのどちらかのみ。
※なお、敵の雑魚キャラでさえ秘儀を使ってきます笑
かなり激しい攻撃なので、回避するよりは化勁で逃げる方が安全に思えます。
化勁で受け流すと相手の体勢を大きく崩したり、自分のマイナス分の氣勢ゲージを一気に回復できる効果もあり。
良くも悪くも「化勁ゲー(パリィゲー)」となっているのはこういうことですね。
特にボスはかなり固いので、化勁からの相手の氣勢切れ(からの大ダメージ)を狙う事に終始することになりそうな感じです。
この辺りは「SEKIRO」に似たようなシステムとなりますね。
武技・仙術
あとは武器固有の特殊攻撃の「武技」と、炎や雷を発生させたりバフ効果を追加したりできるRPGの魔法のような「仙術」があります。
これらはある程度使いましたが、バフ効果はともかく攻撃系の武技や仙術は今の所あまり強くなく効果が薄いような・・
ボス相手は結局のところ化勁で氣勢を削りきってからの大ダメージが強力なので、ほとんど基本攻撃と氣勢攻撃、化勁を駆使してのゴリ押しで十分戦えました。
まあでもレベルが上がってやり込めば、効果的な使い方やチートレベルの攻略も出て来そうな気はしますけど・・
レベルアップ
ステータスはレベルアップ毎に五行(万物を構成する木・火・土・金・水の5種類の元素)に任意で振り分けていく、仁王やダークソウルでお馴染みのレベルアップ方式。
経験値に値する「仙氣」を消費してレベルを上げることになります。
木は体力・火は攻撃といったような、各項目それぞれ上がるステータスが違うため、各自強化したい能力を吟味してレベルを上げていきます。
仁王のように項目数が多くなく5個しかないので、深く考えずに振り分けられるのはいいことかもしれません。
そして武器の攻撃力にも五行の効果は影響し、武器によって各項目が攻撃力に反映するものが違ってきます。
例えば直刀なら「木・火・水」が影響し、大槌なら「火・土・金」といった感じです。
五行の中でも基本的に体力を大きく上げられる「木」が重要となるので、「木」が反映される武器が重要となる気はします。
回復ポイント(軍旗)
仁王やダークソウルでお馴染みの回復ポイントはウォーロンでも同じく登場。
「軍旗」を回復ポイントに立てることで使用可能となります。
回復薬を最大保有数まで回復したり、マルチプレイを行う基点となるなど、通常メニューでできないことを行えます。
そして死にゲーお馴染みの休んだら敵が復活というのも、もちろんアリ。
死亡したら・・
死亡したら「一敗塗地」の文字と共に、回復ポイントまで戻されます。
そしてさらに経験値である仙氣も落とす、死にゲーのいつも通りの仕様。
果たしてこの画面を何度見ることになるのでしょうか・・
総評
・死にゲー(歯ごたえある難易度)が好きな人
・三国志が好きな人
・テンポ良いアクションが好きな人
・あきらめず何度もトライできる人(これが一番大事!)
死にゲーの仁王(システム・動作)とSEKIRO(パリィ要素)を足したようなゲームの印象です。
体験版なのでまだ序盤しかできなかったですが、ステージもそれなりに広く1つのルートではないので探索のし甲斐もあります。
「ダーク三國アクションRPG」と自負するだけあって、今の所かなり鬱な雰囲気のステージが多いのは仕方ないですかね。
色々と不満なところもありますが、アクション・操作性はかなりいいので面白いです。
知っている有名武将が登場するのも、三国志ファンにはたまらないですね。
マルチプレイはまだしていないですが、これも楽しそうです。
DLC込みでボリュームはかなりあるらしいので、製品版をプレイするのが非常に楽しみです!!
※追記(3/4)
製品版の3章をクリアしたので、改めて感想を。
アクションゲームに自信ある方、死にゲー経験者以外は、心折れるポイントが少し多いかもしれません。
製品版が発売されてすぐにサブクエストに行きましたが、敵雑魚キャラにボコられまくって何回も死にまくりました・・
※雑魚ですら秘儀を出し惜しみをせずバンバン発動してきます
ボスもどれも強力で、当然こちらも何回も死にまくりました。
しかしあきらめずくじけないメンタルがあればいつかはクリアできるし、その達成感は他に代えがたいものがあります。
そしてもし自力でクリアできなくても、オンラインマルチモードで助っ人を呼び出してメインクエストをクリアすることもできます。
とにかくすぐにあきらめて投げてしまう方は、このゲームを買って損をしたと感じる事でしょう。
難易度は仁王と比べてある意味難しいとも感じます(ジャスト回避ができるかどうかに尽きます!)。
しかし正にスルメゲーと言えるようなやみつきになる部分もあるので、死にゲーをプレイしたことが無い方こそオススメできるゲームだと思いますし、時間があればずっとやれるくらい面白いです!
興味ある方はぜひ!
※体験版が23年3月末頃までできるので、購入前にお試しプレイできます!